コカイン依存症の依存形成メカニズム発見:治療薬の開発に光

2015年03月06日 00:45

薬物依存症

薬物依存症は脳内報酬系の過剰な活動により形成されるという報告はたくさんある。ヒトを含む動物で脳内報酬系が活性化されると「快」情動が形成される。モチベーションや報酬に基づく学習を促進することが知られている。

薬物依存症はその「快」情動が薬物によって活性化され続ける状態(可塑的変化)と考えられている。

脳内報酬系がどのように制御されているかは不明であることから、現在のところ薬物依存症に関しては治療法はない。

北海道大学の研究

2015年2月27日、北海道大学は薬物依存形成メカニズムを発見し、薬物依存を解除する方法を発見したことを明らかにした。

研究内容はEuropean Journal of Neuroscienceのオンライン版に2015年2月24日から公開されている。

研究者はラットに数日間コカインを投与し、薬物依存モデルを作成。

脳内の電気活動を検討した結果、依存性の本体である背外側被蓋核コリン作動性ニューロンの興奮性が増強していることから、依存性が形成されていることを確認(可塑的変化の確認)。

可塑的変化には持続性ナトリウムチャンネル電流の増大が関わっていることが判明したことから、背外側被蓋核に持続性ナトリウムチャンネル阻害剤を投与すると、ラットの薬物欲求行動が抑制された。

今後の展開

薬物依存形成に関わる神経回路とその信号伝達方式が判明したことから、現在、有効な治療法が存在しない、依存症の治療薬の開発に可能性が見いだせた。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

北海道大学 プレスリリース
http://www.hokudai.ac.jp/news/150227_pharm_pr.pdf

文献:Intrinsic membrane plasticity via increased persistent sodium conductance of cholinergic neurons in the rat laterodorsal tegmental nucleus contributes to cocaine-induced addictive behavior
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ejn.12855/abstract